アフガニスタン報告

アフガニスタン報告を聴いて

アフガニスタンで日々起きていることは、日本であまり報道されていない。しかし、2003年以降徐々に治安状態が悪化し、特に今年武力衝突は激化しているという。民間人の死者は8月末ですでに前年の約1.4倍の1,445人にのぼるとのこと。加えて旱魃・洪水・食料価格の高騰による食料不足の深刻化。アフガニスタン政府は支援を求めているが、現時点では安全な飲料水の供給や農業分野への資金が不足している状況。日本政府は支援していない。
なぜ、紛争はおさまらないのか? 争う人々は何のために戦い続けるのか? なぜ、民間人が犠牲にならなくてはならないのか? アメリカは何をしようとしているのか? そして、日本政府はなぜ、援助の手を差しのべないのか? 平和な日本で暮らす私には理解できず、なぜ・なぜ・なぜが頭の中をかけめぐる。
アフガニスタンの復興支援のためには、政治・軍事と一線を画する支援が必要で、中立の立場であるNGOの活動は重要だと思う。今NGOで活動する人たちは、日本政府に対し、軍事支援ではない、平和的アプローチによる支援を望んでいる。そして、地域の融和と安定のために、NGO、国連、アフガニスタン政府と協力して力を注いで欲しいと。
今回、現地でNGOの活動をする長谷部貴俊氏(JVCアフガニスタン現地代表)の報告を聴き、自分の無知と日本の報道の偏りに気づいた。私たちは国内が平和であるがゆえに、平和であることの大切さや戦争への怒りを忘れて過ごしがちだ。アフガニスタンばかりでなく、世界には、争いが絶えずおびえながら暮らす人々がいることに目を向ける必要があるだろう。その人たちが安心して暮らすために自分には何ができるのか考えながら。
                                   

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