不登校について考えよう〜教員の立場から〜

不登校について考える学習会第2弾は、藤沢市議で元教員の竹村雅夫さんに、教員の目線・立場から、データに基づく分析を元にお話いただきました。

不登校の原因は様々で本人にも家族にもわからないことが多いことを前回学びました。では学校現場はどう捉えているのか?無気力・不安が多いと認識していますがその原因は、というとなかなか捉えきれません。しかし、データを見ると平成24年を境に精神疾患で離職した教員、いじめ認知件数、子どもの自殺件数も増え始めています。この時期に何が起こったかというと、OECD学力調査の全分野で日本の子どもたちの学力低下が示され、「ゆとり教育」批判が起こりました。その結果、新学習指導要領では「学力向上」が重視されたことで、授業内容は1割近く増え、6時間目までの授業も増えました。子どもたちも先生も余裕がなくなっていったのです。

しかし、学力調査を冷静に分析してみると、すぐに結果は出ないものの、「ゆとり教育」で小中学9年間学んだ生徒の成績が一番良く、その時期が短くなるにつれて成績が下がり始めています。早計に総括した結果、誤った分析により進むべき道を間違えてしまったようです。

そして、国が教育にお金をかけないことも、教育環境の悪化の原因の大きな部分を占めています。家庭の社会経済的背景と学力がほぼ比例する事実も重く受け止めなくてはなりません。ここにとても政治的な要因であると気が付きました。

7歳から15歳までの多感な大切な子ども時代を過ごす小中学校の在り方を、考え直す必要がありそうです。(T.K)