学習会「男らしさ?女らしさ?〜社会的性別役割分担(ジェンダー)を考えよう」を開催しました

昨年は「女性差別撤廃条約選択議定書の批准を求める意見書」を藤沢市議会から国へ提出する事ができました。益々ジェンダーに対する意識が高まっています。
今回の学習会は藤沢市在住で離婚問題、ベストセラー「これからの男の子たちへ」の著者でもありセクハラ事件等の女性の人権に多く関わっておられる弁護士の太田啓子さんを講師にお招きしました。

   

【女性の抱えるジェンダーギャップ】
男性が大黒柱となって稼ぎ、女性が家事・子育て・介護等の役割を担ってきた旧来の社会の構造は現代においても変わらず、そのため女性は男性に依存しないと経済的に生活が難しい状態が続いています。日本は男女間の賃金格差はもとより、国会議員(衆議院)や上場企業の役員の女性割合は1割弱であり、家事・育児・介護等のために女性は実に男性の5.5 倍もの無償労働に時間を割かれています。女性が仕事を持って働いていても「家事は女がするもの」という意識が根付いていると言えます。

【男性も抱えているジェンダーの呪縛】
一方男性も数値には表れないところで、「男なのだから」「男らしく」と家庭や社会の中で気づかぬうちに「らしさ」のジェンダーバイアスをかけられ続けています。逃げずに「男らしく」何事にも立ち向かい「男なのだから」多くのお金を稼ぎ、高い社会的地位を得る事を求められるジェンダーの呪縛に苦しんでいると言えるかもしれません。日本社会のこの過度な「男らしく」生きる事の要求は、それを目指せば目指すほど、他の性を軽視し対等な関係から遠ざけます。また日本は特に「男性の性」は女性のそれと比べて軽く扱われがちでもあります。ジャニーズ問題のように男性の性被害には反応の鈍い社会なのです。

【ジェンダーバイアスを超えて】
男らしく女らしくというバイアスから自由になり、男女がそれぞれの能力を生かして
自分らしくいる事ができたならば素晴らしいと思います。そのためには家庭や社会で
子どもたちに声をかけて、導いていく事はとても大切です。

『女の子たちへ 』

すぐにゆずってしまわないで
「いいえ」「イヤです」と伝えよう
「かわいい」は言わせない
ケンカをおそれないで

『男の子たちへ 』

やさしい子になろう
どうどうとこわがっていい
傷ついたと伝えよう
料理をしよう
パパを変えよう

「女の子だから 男の子だから をなくす本」エトセトラブックスより

男の子も泣きたい時もあるし、女の子も譲れない主張をしたい時もあるのです。
私たち大人のジェンダーバイアスを取り払い変えていく。そこから男女が良い関係で
いられる、子どもたちの新しい未来の社会が開かれていくのです。私たちもそんな未
来の社会を目指していきましょう!

※ジェンダー・・・・・生物学的な性差(sex)に付加された社会的・文化的な性差

 

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