谷津市議に聴く、藤沢市議会・令和7年2月定例会
3月19日に議会を終えた谷津えみ市議に、予算委員会を含む2月議会を振り返ってもらいました。
川口:まずは、予算委員会の副委員長の大役、お疲れ様でした。全体の議事を見守る役割だったかと思いますが、いかがでしたか?
谷津:まず予算書を見たときに目に入ったのが「投資的経費予算」の増大です。人口減少を恐れるあまり、将来的な財源確保のためとして、西北部開発や村岡新駅の整備。さらに公共施設再整備として藤沢駅や市民会館や市民病院救急棟等々が目白押しで、今を生きる市民のサービスを圧迫するような様相になりつつあると感じました。
象徴的なのが「個人宅を対象としたスズメバチの巣の駆除事業」の廃止です。2023年度は354件、2024年度は387件とかなりの市民が利用している事業です。近隣市の茅ヶ崎市は無料、鎌倉市は費用の一部を補助しています。委員からは懸念の声が多く上がっていましたが、その声を反映する制度がないのもまた問題だと思います。
川口:「スズメバチの巣の駆除」は地方自治体ならでは、の議題ですね。命に関わることですし廃止してほしくない事業ですね。子ども子育て支援策への予算はいかがでしたか?
谷津:小さい時の支援(産後ケア、保育二人目など)に集中しています。子どもは育っていくのに小中高校生にはこれといった支援がありません。勉強する自習室くらい整えてほしいと市民からの声もありました。部屋は空いていても使えない公民館に疑問だと。学都松本のようになればいいですね。
川口:公民館(市民センター)の会議室などの稼働率は50%そこそこだと聞いています。柔軟に対応して欲しいと思います。
そういえば、生活クラブから「質と量の低下を招くのでは?」と心配されていた「小学校給食無償化は、見送られたようですね。
谷津:令和8年度から国の予算措置により無償化を目指す、とのことでした。やはり、市独自の予算では福祉分野の予算が大幅に削られるのは目に見えていましたので、とりあえず安心しました。「小学校給食無償化」について保護者からは「給食費くらいは払うよ。それよりも、学校の設備を何とかして」との声が多いのです。
川口:私たちが日頃、子ども政策・子育て支援について議論していることは、教育現場に対する予算の少なさです。教員不足も問題になっていますし、藤沢市南部はマンモス校化して教室不足も解決していません。2月末には市立中学校でいじめが原因で市外に転校を余儀なくされるという重大事態が報道されました。市の政策はかなりピントがずれていると批判せざるをえませんね。
谷津:人口の増化は政策の要なので、必死なのはわかります。
でも、決定機関は男性がほとんどで、市民の生活実感を反映できているとはいえません。これでは的を得るのは難しく恣意的要素が強くなるように思います。
少子化をおそれてはいても、ニンジンぶら下げ政策ばかりで少子化加速です。過去に学ぶべきであり、総括して改善すべきです。