厚木基地から流出した泡消化剤(PFOS)について
9月25日に厚木基地で泡消化剤(PFOS,PFOA)が放出されて、河川に流出したことが大きく報じられました。蓼川の汚染もあることがわかりました。蓼川の下流は藤沢市内を流れる引地川に合流することから調べてみました。
関東防衛局の発表では厚木基地上ではPFOSとPFOAの合計が14ng/Lですが、立川橋では180ng/Lと高くなっています。暫定目標値は50ng/Lですから3倍以上の数値となっています。神奈川県の調査はもっと下流まで調査しています。その結果、藤沢市の下土棚大橋でも88から170ng/Lと高い数値になっています。藤沢市では平成27年から毎年8月に引地川と境川のPFOS、PFOAの数値を計っています。藤沢市の富士見橋(辻堂大平台)のPFOS,PFOAの合計の測定結果はH27年には161,28年は140,29年は151、R2年120、R3年167、R4年170ng/Lとこの事件がなくても慢性的に数値が高いことがわかります。藤沢市内を流れる境川の数値は低く、引地川のほうが7倍から10倍高いこともわかりました。(藤沢市HP有機フッ素化合物について)
藤沢市環境保全課にこの結果を持って聞きに行きましたが、引地川のどこかでPFOSなどが流出しているが、場所などは特定できない。とのことでした。また、9月の新聞報道の後も県の調査に任せ、市独自の水質検査は行っていません。PFOSやPFOAなどの有機フッ素化合物は、以前は消化剤として活用されていましたが、現在は毒性が強いので、製造、使用が制限されているものです。直接被害を受ける自治体が連携して、原因を突き止めるよう国へもっと十分な調査ができるよう働きかけて行くべきです。(植木)