学校と警察との連携強化の功罪

どうなる子どもの人権

神奈川ネットワーク運動・藤沢では、6月25日に「今、学校では」をテーマに、中学校教師の竹村雅夫先生と神奈川ネットワーク運動の仙田みどり県議会議員を囲み、ネット藤沢フォーラムを開催しました。学校での子どもの現状、県議会での様子、子育て中の親の思い、育て上げた親の感想等それぞれの参加者の立場から、学校・学校を取り巻く環境について活発な意見交換が行われました。
最初にネット藤沢・市議の植木から、藤沢市での学校と警察の連携の仕組みなどについて説明がありました。藤沢市では年2回、小中学校、教育委員会、児童相談所などの関係者や警察が集まり、藤沢市の子どもたちの問題を話し合う機会を設けています。これを学校警察連携(学警連)といいます。しかし、神奈川県では、学校と警察双方向において子どもの個人情報を提供する協定が結ばれようとしていることに対して、藤沢市の方針が話されました。(裏面参照)
竹村先生からは、警察をすべて否定するものではないが、今提携されようとしている協定には問題があり、必要以上の介入は問題がある。資料をもとにここ数年、刑法犯少年の数は減少傾向であるが、覚せい剤・麻薬が増えてきている。性問題が低年齢化している。新聞・マスコミ等の報道に惑わされないことが大事であること。家庭の貯蓄額の2局分化がもたらす子ども達への影響等が話されました。
 仙田みどり県議からは、県教育委員会と県警察本部とで「学校と警察との間の情報連携に係る協定」を結ぼうとする動きについて詳しい説明がありました。
この協定の中では、
学校は警察に対し
① 児童生徒の犯罪行為等・暴走族等非行集団・薬物乱用等
② いじめ・児童虐待・犯罪被害等を受けるおそれのある事案等
警察は学校に対し
① 児童生徒の逮捕及び身柄通告・繰り返される犯罪行為・非行集団による犯罪行為等
② 犯罪行為・非行集団による犯罪行為等の被害を受けるおそれのある事案等
以上の行為が誰とどのようにして起こしたか等を含め、氏名・生年月日・住所・電話番号等の個人情報の提供が行われるというものです。そして本人である児童生徒・保護者には知らせる義務はありません。
しかし、ここでいう「犯罪行為等」とは、飲酒・喫煙・深夜徘徊までが含まれているのです。このようなことまで、警察に知らせなければならないのか疑問です
神奈川ネットワーク運動は、県知事へ、「学校と警察の情報連携協定」に関する要望書、5月には、神奈川ネットワーク運動神奈川県議会議員団から神奈川県個人情報保護審議会会長へ、この協定の問題点・個人情報保護条例の理念に抵触する恐れがある等の要望書を提出.しました。
5月12日の審議会で、学校から警察への提供は行われないことが決まりましたが警察から学校への提供はあり得るのです。 
 この後参加者から意見や質問が出ました。
被害をうけたの子どもの立場からは、警察介入も仕方が無いのではと云う意見も出ました。現在でも、必要に応じそのようなケースはあるようですが、今回出されている「学校と警察との情報連携協定」は何処まで個人の情報を提供することになるのかが曖昧で、子どもの将来を左右することもあるのではないでしょうか
警察からの情報の提出方法、その情報の管理・保管体制・取り扱いについてもまだまだ不透明で、この協定書の必要性が疑問です。現行の学校と警察の連携で十分ではないのかと思いました。