イソシアネートの影響が大きい香害

香害の中で子どもの免疫を脅かす有害化学物質のイソシアネートについての学習会に参加しました。講師はかくた子ども&アレルギークリニック院長 角田和彦氏です。

最近人工的で強い香りを発する化粧品やシャンプー柔軟仕上げ剤などを使用する人が増えました。香りを長持ちさせるため香料を数ミクロンから50ミクロン程度の樹脂カプセルに包み込み、たたいたりこすったりするとカプセルが壊れ、中から香料が飛び出す仕組みになっています。マイクロカプセルの性能はポリウレタン製のが良いため、多くの柔軟仕上げ材や消臭スプレーに使われていますが、ポリウレタン製のカプセルの場合、毒性の強いイソシアネート(ウレタン樹脂の原料)が揮発するのが問題となります。イソシアネートは皮膚、粘膜障害、呼吸器障害、神経障害、発がん性のある物質で知覚神経を刺激し、頭痛、アレルギーの誘発、気道過敏性の悪化などをもたらします。香料のマイクロカプセルは柔軟剤のキャップ一杯に約一億個含まれ、8割は下水に流れる、衣類が乾燥すると周囲に飛散し、衣類に固着したマイクロカプセルは洗っても取れない。そのため空気中に許容濃度を超えるイソシアネートカプセルが浮遊しているためアレルギーの誘発や呼吸障害、頭痛を起こす人たちが増えてきているそうです。

世界では香料の成分を会時する企業が増え、アメリカデトロイト州を始め多くの州で無香料方針や低香料方針を採用しています。日本でも所沢市議会が柔軟剤などの家庭用品に含まれる光量の成分表示を求める意見書を国に提出したり、日本医師会が2018年に医師会ニュースで香料による新しい健康被害について取り上げたりしていますが、企業は成分表示をするところはありません。

今後、企業に対しては成分開示を求め、国にも成分表示の義務化を働きかけます。また、教育委員会などを通じ学校へ働きかける、市民に広く知って貰うなどの活動を広げていきます。