東日本大震災後の復興と課題~講演会から~

28日、あべともこ衆議院議員主催の東日本大震災から10年 復興の現状と課題 桜井勝延・元南相馬市長の講演会に行きました。

桜井元市長は2011年の震災時に市長として日夜市民のために活動され、また世界に危機的状況を発信し、米タイム誌から世界で最も影響力のある100人(2011年版)に選ばれた方です。

震災直後の話は始めて聞いたので自治体としての災害対策の考え方のヒントがあると思いました。震災直後、地元では津波で犠牲になった方たち、また被災された方たちの対応に追われていたが、原発の危険は頭になかった、ということです。その後、国からも東電からも情報は一切入ってこず、テレビから情報を得たようです。その後も、国、県は避難しろとは言うがどこに、どのような方法でという具体は一切なく、被災した各自治体が自分たちで避難先や移動手段を整えたそうです。

国は、原発から10キロ圏内は原発に対する防災計画を立てろといいますが、それより外は対策を作ってはいけないそうです。それは地域住民が不安に思うから、という理由で。しかし防災計画は作っておいて損はありません。国が作るな、というのはおかしなことです。藤沢市も横須賀を母港とする米軍の原子力空母の放射能漏れを想定した防災計画が必要ではないでしょうか。具体は地方自治体が一番把握できるのですから。

復興に向けて、帰還した住民が安心して暮らすためには医療の整備が重要とだと、早い段階で、診療所を整備したそうです。また、高齢化が進むまちでは診療所まで来れない人のために訪問医療を始め、全国に先駆けてオンライン診療も始めた、という話は、コロナ禍の今に通じる話でした。

一方、3年で終わると言った除染作業は、現在も続いています。汚染土は畑などに積み上がっています。東日本復興をかけたオリンピックのはずが、復興に欠かせないクレーン車などはオリンピックの建設に持って行かれ、復興は遅れています。その中聖火リレーは始まりました。沿道から見えそうな汚染土の入ったフレコンパックは見えないところに移動させ、復興をアピールするオリンピックって何でしょうか。(植木)