『立命館大学国際平和ミュージアム』視察
2/8〜2/9、神奈川人権センター主催 京都・奈良人権博物館等調査に参加し、『立命館大学国際平和ミュージアム』を視察しました。
世界でも例を見ない、大学設置による「平和」をテーマにした博物館です。最悪の人権侵害である戦争の惨禍と平和の尊さについて考える機会を得ると同時に、民衆の歩んできた歴史についても学ぶことができました。
日本が近代へと歩み始め(ここでは日本の開国と明治維新から)いくつもの戦争をしてきた背景、庶民の暮らし、声などを丁寧に拾い上げ写真と共に展示されています。
印象に残ったものをご紹介します。
①太平洋戦争中に国防婦人会の活動を任されていた賢子さん(1916年生まれ)。
「『籠の鳥』でしかなかった嫁が、姑の代理やから、昼間から外に出られて、結構楽しかったんです。慰問袋作りや兵隊さんの見送りなど、夢中で頑張りました。」
②空襲が激しくなる中、「あんな子に配給をやるのはもったいない」「穀潰し」と言われながらも、脳性まひの幼い我が子を守るために必死だった種子さん(1911年生まれ)。
「親類の者から、「あんな子、早う死んだらええのに、種子さんも楽でけんのに」と、言われた子ですが、親としてはそんな気持ちにはなれません。何としてでも命を長らえさせたかったのです。」
①からは、近代化されてからの「女性の地位の低さ」や日常生活の窮屈さというものが垣間見ることができますし、②からは、何かあればあっさりと弱い者から切り捨てられることがわかります。それに抗う女性に心打たれます。
とても、遠い昔の話とは思えません。
人権を大切にする社会をつくり、あらゆる暴力と闘わなければならない、との思いを新たにしました。