韓国の貧困者政策

韓国ではアジア金融危機以前から貧困層地域で市民が中心になり、自立のための支援を行ってきました。この動きを受け、国は所得の低い人々に人間らしい生活の維持、増進や自立のための支援をおこなう目的の「国民基礎生活保障法」を1998年に制定しました。実際の支援は各基礎自治体に設置された自活センターが担い、最低生活保障(生活、住居、医療、教育等)を保障する社会的サービス事業と働く意欲のある人のためにその地域ニーズと働く人の意向を尊重した自活事業を展開しています。私が視察したハップチョンやチャンヨンの自活センターの運営する自活事業団ではカフェ事業や環境に配慮して洗剤を使わない食器洗浄事業、食事の製造・販売、移動困難者や低所得者への配達など様々な事業を行っていましたが、一般企業に負けない質の高いものでした。自活事業のほとんどが国の補助金であるために、しっかり学ぶことができ、給料を貰え、困窮層から抜け出る人の多いことに驚きました。日本の生活保護法や生活困窮者支援法よりきめ細かく支援しているのではないかと驚くとともに、市民の運動が勝ち取った法律があることを知り、「おかしい」と思ったら声を上げる、行動する大切さを改めて感じました。(U.Y)