街路樹はなぜ切られているのか

近頃、街路樹の伐採が目につきます。ネット藤沢にも「何故街路樹が伐採されるのか」という声がたくさん寄せられたため、藤沢市・道路維持課に話を聴きました。

 

【「藤沢市街路樹管理計画」を知っていますか】

藤沢市は50年かけて現在の街並みになり、街路樹も植栽後相当年数が経過し、大径木化や老木化により様々な問題が生じています。例えば、道路の幅に合わない街路樹の大径木化で見通しが悪くなる、根上がりによって歩道がデコボコになり歩行者・車椅子・ベビーカーの通行を妨げる、また伸びた根が用水路を塞ぎ水が詰まる、低木やその付近に生える雑草により交差点や横断歩道の見通しが悪くなる、などです。令和3年度(2021年度)より通行時の安全確保を最優先にしつつ計画的に街路樹管理の取り組みを進めています。

 

【市民の意見と伐採の周知は?】

「藤沢市には、市の計画の説明や自治会の意見を集約する『郷土づくり推進会議』がある。市民の声は計画に反映されており、自治会ごとに意見を集約し、推進会議にあげてほしい。個別の対応は難しい」とのことでした。しかし、近隣住民を含む市民への周知は難しく、「街路樹に張り紙をしてもなかなか読んでもらえない」というのも現実です。また、推進会議での説明無しに伐採をするケースもあるようです。いずれにしても街路樹も公園樹も重要な公共財であり、住民の意見をよく聞いた上で方策を決めるのは当然です。「知らないうちに切られた」ということはあってはなりません。

 

街路樹が伐採された道路 Fプレイス前道路

(藤沢町田線)

片瀬中学校前道路 羽鳥中学校前道路
作業期間 令和3〜4年 令和5〜6年 令和4年
目的 歩道幅員の確保 植栽間隔の見直し 歩道幅員の確保
再植栽 なし あり なし
近隣住民への説明 あり 事後報告 なし

 

【街路樹の役割】

景観の美化だけではなく、歩行者や自動車運転者にもリラックス効果を与える街路樹の機能は多数あります。夏には強い陽射しを遮り道路が高温になるのを防ぎ、雨天時には雨水の地下浸透を助けるなど、水の調整機能もあります。地球温暖化の大きな原因でもある二酸化炭素の吸収・固定にも寄与しています。今回の調査で藤沢市は、まちの「顔」となる鉄道駅に近接する路線や街路樹景観ベスト10の路線は「景観路線」として整備しますが、それ以外の私たち住む身近な路線は伐採のみということになっているのではないか?と疑問が残りました。今後も調査を継続していきます。(T.K)